#2 生き残る者と死ぬ者

3人だけど傭兵団を結成した!
さぁ、どこへ行く!
まぁ・・何をするにももっと金だよな。
ウェイレアースヘイムにはロクな仕事が無かったので、ここから北東の村、フフシュラグに向かう。
フフシュラグは恐ろしくさびれた村だが、流通は滞ってないらしくささやかな市場は少しばかりの活気がある。

さびれたフフシュラグ

フフシュラグの村の広場で、北の沼地でネズミを捕って生計をしていたという男が激安で雇い主を探していたので彼を雇うことにした。
契約金60Crown
ネズミ専門の猟師なんて初めて聞いたな・・・


Bjarne The Ratcatcher (LV1)
呼び名:ビジャ
給金:5c
前職:猟師
特性:不安定なResolve、かぼそい意思
潜在:Fat(+++)、Resolve(+)、RangeDf(+)
仕事:前衛(おとり)
Story:
ろくな技術も教わらないままに両親を失ったため、ネズミを捕るくらいしかできなかった男。社会をいつも疑問視している。

今日までだれも彼を雇ってくれなかったが、傭兵団を結成したばかりのタンポポたちに運よく拾われた。

ビジャとの自己紹介を済ませてから、仕事を探しに村の寄り合い所へ。
賃金600cという破格のキャラバンガードの仕事がある。
だれが受けても良いらしい。
敵に襲われなければ簡単なお仕事だ。
襲われたとしても我々だけ逃げれば済む話だ。引き受けよう。

昨日結成したばかりの全員ドシロートの傭兵団だが、だれも気に留める風もなく、仕事を引き受けることができた。
とりあえず、ビジャは手ぶらだったので、腰にさしてた手斧を持たせてやった。

キャラバンは、ロバ2頭に商人1人に使用人が2人。
「ではよろしくお願いしますね。こちらはいつでも出発できます」
おれらに言われたくないだろうがなんか弱そうな連中だな・・・
もしかすると、このキャラバンの連中も、傭兵を雇って街を渡るのは初めてなのかもしれない・・・。

3日目

護衛するキャラバンは1日半以上かけて北上を続け、雪山のふもとの町、サールに到着した。
いままでは遠出するといえば、森の隣にある山に採掘に出かけるか隣の少し大きな街まで買い出しにいくのがせいぜいだったわけだが、こんなに遠くまで来たのは初めてだ。

なぜならば街道は、盗賊、山賊、バーバリアンに凶悪モンスター、さらにはアンデットと、命を失う可能性に事欠かない場所なのだ。

報酬の600Crownを受け取る

にもかかわらず、今回は見事になにも起きなかった。
ただ移動するだけで600Crownを貰う。
たぶん、各々が稼ぐ3か月分くらいの金額をたったの2日で。 おまけに我々が運んだ物資がもたらされたことで村人たちも喜び、感謝の言葉を繰り返している。
幸運と受け取るしかないわけだが、シロート傭兵団のタンポポ達から見たら、「なんだよ!傭兵ラクショーじゃんかよ!!」

サールの村は、なかなかに活気のある村だった。
タンポポらが住んでいたウェイレアースヘイムと比べてもサールは大きく活気のある村だ。

さきほど護衛してきたキャラバンの連中が市場で、銅のインゴットを仕入れているようだったので、我々もそれに倣ってみる。
1個208Crown。安い。ウェイレアースヘイムだったら300Crown以上はするはず。
これも1個運んだだけで100Crown。商人たちが危険な街道を超えて商品を町々へ運ぶ理由がやっと理解できたよ

まぁしかし、われわれは傭兵団なので、傭兵団としての仕事を探したところ、盗まれた黄金のタリスマンを奪い返してこいという依頼があり、これを受けることにした。

いよいよ傭兵らしい仕事だ!

たんぽぽ、マルコ、ジャック、それとネズミ捕りのビジャ。
4人ではすこし心もとないので、鉱山労働から足を洗いたいといっている若者雇ってやることにした。

ホーストという。


Horst The Crawler (LV1)
呼び名:ホースト
給金:5c
前職:鉱夫見習い
特性:悲観主義者
潜在:HP(++)、Initiative(+)、Melee(+++)
仕事:前衛
備考:
鉱山で見習いとして働いていたが、壮年の熟練鉱夫に叱責されたことに腹を立て、持っていたナイフで相手をメッタメタに刺し殺してしまったらしい。
その日からついた切り裂きホーストの異名は伊達じゃないらしく、生まれ持った戦士としての才能を、鉱夫として使い果たすのはもったいないう自覚に完全に目覚めたようだ。

村を出て、盗賊の足跡を追跡する。
深夜に、森に隠れていた盗賊を発見した。
まったくそんなつもりではなかったのだが、たまたま通りかかった8人連れのキャラバンも加勢し、15対7でこの盗賊に襲い掛かった。

戦闘はもちろん我々の圧勝だったが、肝心のタンポポらはまったく戦闘の役に立っていなかった。
わかっていたことだが、我々の攻撃はほとんど敵に当たらない。
あきらかな経験不足だった。

そして、ふと気が付くと、仲間の死体。

つい昨日、仲間になったばかりのネズミ捕りのビジャ・・・。
昨日、タンポポ達に加わることができて、ずっと夢見ていた傭兵団への加入がかなったビジャ。
旅の途中もずっとうれしそうな顔をしていたな。
ほんの1日の夢見心地。それがビジャにとっての人生の到達点ということだったのだろうが、ただただ残酷な運命だったとしか言いようがない。
他の傭兵団と同じように彼を拒否していれば、ビジャが今日に死ぬこともなかっただろう。たまたま通りかかった圧倒的に経験不足の傭兵団が何も知らずに彼の加入を歓迎してしまったという神のイタズラか、最初の戦闘でその命が儚くも消えた。

ああ、ビジャを殺したのはつまり俺か。俺たちか・・・。

つづく

tanpopo

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